いつもの場所のその先で

オタクだけど、毎日をすこやかに過ごしたいんです。

比較する必要は、ないんじゃないかな。

先日、こんな記事を読んでいました。

gendai.ismedia.jp

記事は音楽ジャーナリストの柴那典さんと批評家の矢野さんの対談記事です。ジャニーズの見方が変に偏っていない、フラットな人が語るジャニーズに最近とても興味があり、今回も4回の連載記事を楽しく読みました。

第一回の「どうしてジャニーズはwebをガン無視するのか」問題もジャニオタとして気になります。実際には関ジャニ∞の丸山くんがエゴサしていたり、ジャニーズWESTが公式にTwitterアカウント作っていたり、NEWSの小山くんが舞台のたびに(舞台のキャラクターになりきって)Twitterに現れたりするので、公式がガン無視しているわけではないのですが、今後公式がどうしていくのか気になる問題です。

さて、今日はこの連載中で気になった「SMAP後継者問題」について書きたいと思います。なお、この書き込みは個人の見解なので「ちょっと違うなー」と思うときはそっとブラウザを閉じていただけるとうれしいです。

SMAP後継者は嵐、ってかんたんに言うのはよしてくれ

この連載の中でわたしが気になったのは、連載3回目の記事。

gendai.ismedia.jp

SMAPの後継者は現れるのか」問題について語られたもの。記事の中では以下のような会話があります。

矢野 ええ。SMAPの後、国民的アイドルに最も近いのは嵐ですよね。

柴 SMAP以降で「国民的」という形容詞を背負える器を持っているのは、間違いなく嵐しかいないでしょうね。

この記事は音楽性に軸を置きながら話しているので論点と少しずれるかもしれませんが、こんなふうにSMAPと嵐を比較するのは少々乱暴だとわたしは思います。

そもそも比較する対象としてずれている。

記事の中には以下のような話もありました。

矢野 「仲が良さそうな嵐を見ていると幸せになる」というのは理解できますけれども、SMAPと同じような道で「国民的アイドル」を歩むかというと、それは本当にわからないな……。

世間の片隅の嵐ファンからすると「いやいや、同じような道なんて歩まないでしょ……」が率直な感想です。嵐は嵐でオリジナルだし、SMAPSMAPで唯一無二なのだから。そもそも歩いてきた道も時代も全然違うんだし、嵐はSMAPみたいになれるのかって頼むからそんなこと言わないでほしい。

「嵐はSMAPになれるのか」の問いは、例えるなら「大根がなくなってしまった今、にんじんは大根になれるか」や「チワワが絶滅してしまったら、トイプードルはチワワになれるのか」と同じくらい乱暴だと思うのです。そりゃ野菜や根菜のくくりでは大根もにんじんも一緒だけど……!

そもそも嵐は「ポストSMAP」として育てられていない

正直なところ、嵐がこんなに売れたことは事務所としては予想外だったはず。
おそらく事務所は「ポストSMAP」として育てようとしていたのは別のグループだったのでは、とわたしは考えています。

ところが、予想外に嵐が世間で受け入れられたり、ポストSMAPのグループにも予想外の出来事があったりなどなど社内の舵取りがうまくいかなくなり、2017年の現在の状態になっている。*1

そのため、嵐はSMAPの後継者としてグループ活動していたわけでもなく、彼らなりに紆余曲折いろいろありながら独自路線を走ってきました。今になって世間が「さあ嵐はSMAPみたいになってくれるかな」と言っても「えええええ」とファンであるわたしは思います。(本人達も「まあ周りは言うよね」くらいに捉えてるんじゃないかなあ。)

もしかしたら売り上げ数字の後継者にはなれるかもしれないけど、ここにきて「SMAPみたいになれ」なんて無茶言うなよ、ってところです。*2

SMAPの後継者って必要なのかな

もちろん会社を続けていくためには利益が必要。看板としてのグループが必要なのもわかる。でも、タレントもファンも多様化しているこの時代、売り上げ数字をひとつのグループやタレントだけに集中させるなんて経営的にもナンセンスだと思います。

「国民的」の冠はどこかにつけたいとしても「SMAPと同じような」という枕詞は、必要ないんじゃないかと思います。余計に「じゃあなんでSMAPをなくしたんだ」の思いが強くなってしまうし、いつまでもSMAPを求めてしまう。

ファンの中で比較してたこともあった(はず)

嵐が国立競技場で公演を重ねていく中、嵐ファンの中で「嵐はSMAPになれるのか」議論がTwitterで起こった記憶があります。

というか、嵐ファンが勝手に「嵐はSMAPよりすごい」とか言い出していた気がします。結局どうなったのかは覚えていませんが、そのときにも無意味な比較と争いが起こっていました。悲しかったです。タレント本人たちは互いにリスペクトし合ってるのに、ファンや外野が勝手に敵を作るのは本当に無意味。というか、だれも幸せにならないからわざわざしないほうがいい。

ここでは比較って、そんなに意味がない

これらの理由から、SMAPと嵐を比較したり、むやみにSMAPの後継者として嵐を名指ししたりするのは、あまり意味がないんじゃないかなあとわたしは思っています。そりゃ嵐は人数も5人だし楽器も鍬も持ってないし、メディアへの露出も多いのでSMAPと比較しやすくて、後継者とかの議論は一般層向けにキャッチーだからやりがちなんだけど。だけども、この手の議論はジャニーズの未来を語る本質から、どうもずれてしまっていると感じます。

それでもSMAPと嵐さらには他のグループを比較したいなら、その前に一度SMAPの『世界に一つだけの花』と『君は君だよ』、嵐の『ファイトソング』を歌詞カードを見ながらじっくり聞いてほしい。どれも比較することについて考えさせられる曲です。

さらに言うなら、周りがこんなふうにいろいろ言ったところで業界人でも事務所の人間でもないんだから本当のところなんて何もわからない。だからこそ、むやみに推察したり比べたり世間話のネタにしたりネガティブチェックしたりするのやめませんか……?

*1:個人的にはKAT-TUNをポストSMAPに置こうとしていた時期があったと感じています。でも赤西くんが抜けたりして、飯島班から移動したんじゃないかなあと。それでうまくいかず、キスマイが推されるようになったんだと考えています。スマスマのKAT-TUNSMAPにタメ口って企画、ついに叶わなかったな〜〜楽しみにしてたのになあ。

*2:例えばスマスマみたいに嵐も冠番組で海外アーティストを迎えてパフォーマンスするとなったら、できると思うけどSMAPとまったく同じようにできるか、と言われたらできないしやらない方がいいんじゃないかな。SMAPとまったく同じように、とオーダーされても嵐の良さは出ないと思う。